【おうちづくりコラム】ローコスト住宅が結果的に割高になる理由

資材価格の高騰によって
コロナ前に比べてずいぶんと
建築費が上がってしまったのですが、
それに加えて住宅性能の更なる強化や太陽光発電の設置、
さらにインスタグラムの影響による
商品のグレードアップなどによって
銀行からの借入額がどんどん増えていっているのが現実です。

もちろん、住宅性能の強化と太陽光発電の設置は、
長期的に見ると上がった建築費を打ち消すどころか
お釣りが帰ってくるぐらい
電気料金というランニングコストを削減してくれるのですが、
とはいえ、目先だけで考えると返済負担は増えてしまうので
少しでも家づくりにかかるイニシャルコスト(初期費用)を
抑えるための工夫をしなければいけません。

ゆえ、今回は家づくりにかかる
コストを落とすための方法について
お伝えしていきたいと思います。

これを実現するためには、
建築費を削減するだけでは難しく
土地と外構(庭の工事)にかかる
コストをも削減する必要があるのですが、
ここで難しいのがローコスト住宅の考え方に寄ってしまうと
建築費は幾分抑えられるものの、
その分土地や外構に莫大なコストが必要となり
総額で考えるとかえって
高い買い物をする結果になってしまうということです。

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✔️ローコスト住宅の盲点

ローコスト住宅とは、
家のコストを最小限にするために
施工面積が抑えられるような
間取りの工夫をしているお家です。

家を真四角にするとか、
総二階建てにするとか(1階と2階の面積が同じ家)、
凸凹にならないよう間取りをつくるといった工夫ですね。
この結果、確かに家のコストは
大なり小なり抑えることが出来ます。

しかし、こういった要素を
取り入れたお家に共通していることが、
「家の外周面だけにしか窓がつけられない」
ということなのですが、
これが土地や外構にかかるコストを
大幅に跳ね上げてしまう原因となります。

土地代が高くなる理由は、
基本、日当たりがいい土地じゃないと
家の中が真っ暗になってしまうため、
価格が最も割高に設定されている南向きの土地を
買わないといけなくなるか、
あるいは南向き以外の土地である場合、
隣家との間に充分なスペースを確保しないといけないので
その分、余分に土地を買わないといけなくなるからです。

そしてこの結果、外構工事までも高くなってしまいます。
南向きの土地に南向きに大きな窓をつくってしまうと、
外から家の中が丸見えになるため、
目隠しや塀や植栽によって防がないといけなくなるからです。

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また、丸見えの位置につくったウッドデッキを
有効活用出来るようにするためには、
ウッドデッキにまでも目隠しを
設置しないといけなくなるからです。

その上、家の窓には
目隠しのためのカーテンが必要になるし、
防犯のことや、台風の時に備えてシャッターも必要になるので、
相当なオプション追加工事がかかってしまいますしね。

つまり、南向きの土地は
土地代が割高になるだけじゃなく、
同時に外構工事代も割高になり、
かつ、割安に抑えられたはずの
建築代までも結果的に割高になる。
結果、家づくりのコストが
最も上がってしまうというわけです。

これが案外知られていない家づくりの盲点なのですが、
みんなそろって日当たりがいい
南向きの土地を探そうとする結果、
南向きの土地に人気が集中し
なかなか土地が見つからなくなるし、
見つかったとしても値引きなんてしてもらえないし、
すぐに売れてしまうことから即決を迫られることになり、
家づくりのペースが乱されてしまうという
更なるデメリットを引き起こしかねません。

そんなわけで、
こういった悪い循環から抜け出していただくために
正しい間取りのつくり方について
知っていただきたいと思っている次第です。

というわけで次回は設計の考え方について
詳しくお伝えしていきたいと思います。

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